「そ、そんなことないですよ? し、視力が相当悪いので、この厚さが妥当です!」

「ふっ、妥当ってなんだ。やっぱり面白いなお前」



 面白そうに笑う先輩に、ほっと胸を撫で下ろす。

 まさかメガネに助けられるとは……話が切り替わってよかった……。



「……あ、そういえば、理事長が言ってた裏の説明って……?」

「ああ、そうだな。その説明をしなければな……」



 ふと思い出して質問した私に、舜先輩は話を始めた。



「この学園は、2つの勢力に分かれている」

「2つの……勢力?」



 もしかして……。

 一瞬にして、舜先輩が何を話そうとしているのかがわかった。



「暴走族、ってわかるか?」



 ――やっぱり。