「……そういう由姫はどうなんだ?」



 ギクッと、効果音が脳裏に鳴り響く。

 別に恋人がいるなんて隠すことでもないだろうけど……笑われそうだから言わないでおこうっ……。



「私は……ひ、秘密です」

「なんだそれ、俺は話したのに、自分は言わない気か?」



 眉間にシワを寄せ、ぐっと顔を近づけていた舜先輩。



「えっ……先輩、近いっ……!」

「……お前、相当目が悪いんだな」

「え?」

「そのメガネ、少し分厚いすぎないか?」



 私のメガネを、不思議そうにじーっと見つめている。

 舜先輩もメガネをかけているから、メガネには詳しいのかもしれないっ……。

 伊達メガネだとバレるのは都合が悪い気がして、慌てて首を左右に振った。