その日はいつもどおり午前の授業を受けた。

 お昼休みになり、ふぅ……と息を吐く。

 ……よし、行こうかな。



「ごめんねみんな……ちょっと行かなきゃいけないところがあって、先に食堂へ行っててもらえないかな?」



 いつもお昼休みに入ったらすぐみんなで食堂に向かうため、そう伝える。

 急いで行こうとしたけど、弥生くんに手を掴まれた。



「どこ行くの?」

「俺たちもついていく!」

「黙れ! 離れろ!! 由姫の付き添いは俺だけで十分なんだよ!!」



 ついてきてくれようとしている3人に、「ごめんね」と謝った。



「先生に話があるだけだからひとりで大丈夫だよ……! すぐに食堂に行くから……!」



 そう言って、逃げるように教室を出た。










 今朝、下見した西館の地下。

 走って西館に行き、地下に入る前に立ち止まる。