総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜



 近寄るのすらおこがましいという空気を感じて、蓮さんは何者なんだろうと不思議に思った。

 しかも、等の本人は視線にまったく気づいてなさそう……というか、無関心みたいだ。

 こんなに見られていて気にしてないなんて、きっと注目されるのが当たり前なんだろうな。

 私がカゴを持とうとすると、蓮さんが横からそれを奪ってきた。



「俺が持つ」

「え……大丈夫ですよ」

「いいから。どれ買うんだよ」



 さらっとカゴ持ちをしてくれるなんて、優しいな。

 お言葉に甘えてカゴを持ってもらい、買い物を進めた。



「金は俺が出すから」



 レジに並んでいる間、さらっと財布を出そうとする蓮さんを慌てて止めた。



「ダメです! 蓮さんにはこの前いただいたお札があるので! ちゃんとそこから出しますっ」



 そう言うと、なぜか驚いた表情を浮かべたあと、うれしそうに笑った蓮さん。