「いや……マスクはついてるけど、華生くんじゃないでしょう? その声と喋り方はどう見ても弥生くんだよ」
「……っ、は?」
こいつ……なに言ってんの……?
声と喋り方が……俺?
いや、俺とかよの声の違いなんか、自分でもよくわからない。
喋り方は……そりゃあ、違うけど……会ってまだ1週間くらいしかたってないこいつが、わかるのか?
俺たちの……見分けが、つくのか……?
「いつから入れ替わってたの? 先生にバレたら怒られ……」
「お、おい、ちょっと来い……!」
とっさに地味メガネの手を掴み、人目の少ない体育館裏へと連れてきた。
「お前、どうして俺が弥生だってわかった?」
壁に押しつけるように追いやり、問い詰める。

