「なあ、編入生の噂、知ってるか?」



 ……でた。

 海の言葉に、眉間にシワが寄る。



「ただの噂だろ」

「……いやいや、結構マジらしいぞ」



 ありえない……。

 かよのほうを見ると、俺と同じことを思っているのが伝わってきた。

 あんな頭がおかしい試験を、満点合格とか……逆にあれに受かる学力なら、高校なんか通わなくていいだろと思うくらい。

 それに……そんな奴にクラスに入られたら面倒だ。

 ただでさえ、得意ではない勉学を頑張ってトップ5を維持してる。

 このクラスは少数先鋭なのに、数が増えたら俺たちが落とされかねない。