総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜



「拓ちゃん、見ててくれてありがとうっ……」



 さっきは拓ちゃんが注意してくれて助かったし、お礼を言っておきたかった。



「大丈夫だったか? つーか、足引っかけた女たち、俺がボコってやる」



 やっぱり見てたんだっ……で、でも、ボコるなんて……!



「そ、そんなのいいよ……! それに、わざとじゃなかったかもしれないし……」

「いや、わざとに決まってんだろ?」

「で、でもいいの、ケガしてないから」



 手を広げて、平気だよとアピール。

 もしかしたら、何か事情があったのかもしれないし、誰にかに何か言われたのかもしれないし……。



「由姫は、どこまでもお人好しだな」



 拓ちゃんは、そう言って困ったように笑った。