「位置について、よーい……ドン!」
先生の号令と同時に、走り出す。
風を切るイメージで、短い50メートルという距離を駆け抜けた。
「白咲、タイム……7.2秒」
先生が、なぜか驚いた表情で言った。
「あれ、タイム落ちちゃった……」
前は7.0だったのにっ……。
若干ショックを受けながら、ペアの女の子に伝えに行く。
「あの、50メートル7.2秒です」
「……は、はい……」
え? ど、どうして敬語なの……?
目を見開いてこっちを見ているけど……いったい、どうしたんだろう……?
不思議に思ったけれど、次の種目まで時間があるから拓ちゃんたちのほうへ駆け寄る。

