「おいてめーら、次余計なことしたら殺すからな!!!」
え? 拓ちゃん?
離れたところから、拓ちゃんの怒鳴り声が。
「……ひぃっ……!」
私の足をかけた女の子と、その友達が顔を真っ青にしている。
もしかして、さっきの見てたのかな……?
怯えている姿はかわいそうだけど、これ以上は不正行為はされないだろうと少し安心した。
「由姫、ファイト~!」
いつの間にか、女子のほうに来ている海くんが声援を送ってくれる。
「ふっ、最低記録更新とかして」
「あいつ絶対足遅いだろうな。……いてっ!!」
弥生くんと華生くんは相変わらずだ……あはは……。
でも、足には少しだけ自信があった。
昔から、逃げ足は誰よりも早いと言われていたから。

