総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜



 それに、拓ちゃんと一緒にいる時は、笑われたり聞こえるように悪口を言われることはない。

 次期総長と言われている海くんに強気な態度をとったり、fatalの特攻隊の人からさんづけされていた弥生くんや華生くんに怯えられているところからして、拓ちゃんはもしかするとこの学校では有名なのかもしれない。

 この学校は暴走族が共存して成り立っているって言ってたから、きっと優劣が決まるのは力。ケンカの強さだと思う。

 拓ちゃんはたぶん……学校の中でも、上位にいるのかな?

 昔からケンカは強かったから、上位にいると言われても納得だけど。

 よく、手合わせしていたな……。

 懐かしくて、くすっと笑みがこぼれた。



「どうした?」

「ううん。昔のこと思い出してたの。拓ちゃんよく、『俺が勝ったらお願い1個聞いて!』って言って、勝負挑んできたでしょう?」

「うわ……やめて、思い出さないで恥ずかしいから。……結局、1回も勝てなかったしな」



 拓ちゃんの言うとおり、結果は私の全勝だった。

 というより、お父さん以外に負けたことはない。