「失礼します」と言って、足を踏み入れる。
扉の先にはクラシック調な広い一室があり、奥の席にひとりの男性が座っていた。
「初めまして、白咲由姫さん。理事長の西園寺崇仁です」
「初めまして」
「よく来てくれたね。キミのような優秀な人材が我が校に来てくれてうれしいよ。教師一同皆、歓迎している」
物腰柔らかそうな、理事長にしては若いと思われる男性。
「そんなふうに言っていただけでうれしい限りです。ありがとうございます」
「どうぞ座ってくれ。キミには少しだけ、今日からの学園生活について話をさせてもらおうと思ってね」
「失礼します」と頭を下げて、ソファに座った。
私の隣に、舜先輩も腰を下ろす。

