総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜




 どんな意図で手を握られているのはわからなかったが、不思議と嫌ではなく、むしろ……どうして眠れたのか、あんな穏やかな夢を見たのかがわかった。

 こいつが……手を握っていてくれたから、なのか。

 普段の俺なら、そんな考えに至ることはないだろう。

 でも……握られた手から、なぜか温もりが伝わってくる気がして、仕方なかった。

 普通、女でも男でも、他の人間といる時は無意識に神経を尖らせてしまう。

 まわりに敵が多いことも要因のひとつかもしれないが、昔から心休まるほど、気を置ける相手がいなかったから。

 なのにこいつは……どうしてか、俺の危機感のセンサーがまったく反応しない。

 会ったばかりの他人だぞ? しかも、女……。

 いったいどうしたんだ、俺は……。

 そう思った時、女の体がびくりと動いた。

 メガネで目は見えないが、目が覚めたのか、ゆっくりと顔を上げ、女がこっちを見た。



「……っ!」



 驚いているのか、ぽかんと口を開いた女。