総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜



「……っ、触、るな……」



 熱のせいだ。体に力が、入らない……っ。



「舜先輩が帰ってきたら、先生を呼んでもらうようにお願いするので、それまではここで我慢……」

「帰、る……ほっと、け……っ」



 女の言葉を無視して、立ち上がろうとした。
 けれど、自分で思っている以上に重症なのか、足に力が入らずそのまま体が傾く。



「危ないっ……!」



 寸前のところで、女に抱きとめられた。

 ……っ。

 女は俺の体を、ゆっくりと座らせる。

 振り払う力もなく、俺はそのままされるがままだった。



「無理しないでください……!」

「さわ、るな……」



 なんとか抵抗しようとそう吐いた俺に、女が顔色を変える。