「……っ、触、るな……」
熱のせいだ。体に力が、入らない……っ。
「舜先輩が帰ってきたら、先生を呼んでもらうようにお願いするので、それまではここで我慢……」
「帰、る……ほっと、け……っ」
女の言葉を無視して、立ち上がろうとした。
けれど、自分で思っている以上に重症なのか、足に力が入らずそのまま体が傾く。
「危ないっ……!」
寸前のところで、女に抱きとめられた。
……っ。
女は俺の体を、ゆっくりと座らせる。
振り払う力もなく、俺はそのままされるがままだった。
「無理しないでください……!」
「さわ、るな……」
なんとか抵抗しようとそう吐いた俺に、女が顔色を変える。

