総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜



 生徒会室にいたが、情けない姿を見られるのが嫌で、なんとか体を動かして寮に帰る。

 もうすぐ家につくというところまでは覚えているが、そのあとの記憶は飛んでいる。

 気づいた時には、知らない部屋で寝ていて、目の前にあの地味な女がいた。



「……お、まえ……」



 頭が回らない。

 なんでこんなところにいるんだ……つーか、こいつが連れてきたのか?



「大丈夫ですか? どこか痛いとかありますか?」



 心配そうに聞いてくる女に、どうしてこんなことになってんのかを考える。

 たぶん、俺がどっかで力尽きて倒れていたんだろう。それで、この女がここまで運んだのかと憶測することはできた。

 でも、そんなことは頼んでない。

 女に助けられるなんて吐き気がする。

 こいつも……親切にすれば、俺がほだされるとでも思ってるのか?

 俺に……関わるな。