裏口は人目が少ないとはいえ、誰かが潜んでいるかもしれないし、気は抜けない。

 拓ちゃんに嘘をついているのも、後ろめたさがあるし……いつかちゃんと、謝ろうっ……。

 帰るだけでどっと疲れて、エレベーターに乗りため息をつく。

 こればっかりは仕方ない……あと半年の辛抱だよね。

 最上階について、エレベーターを降りた。



「……あれ?」



 私は目の前に広がる光景に、目を見開いた。

 廊下の先で……人が、倒れていたから。

 慌てて駆け寄ると、倒れている人が誰なのかすぐにわかった。



「せ、生徒会長さんっ……!」



 しゃがみ込んで顔を覗き込むと、頰を高揚させ、苦しそうな表情が目に入った。



「大丈夫ですか……!?」



 額に手を当てると、尋常ではない熱が伝わってくる。

 熱っ……すごい熱だ……!