総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜



「送ってくれてありがとう! バイバイ拓ちゃん!」

「うん! また明日!」



 拓ちゃんと別れて、いったん女子寮に入るふりをする。

 ごめんね、拓ちゃん……!


 拓ちゃんが帰っていったのを確認してから、生徒会寮のほうに急いだ。

 裏口から中に入り、なんとかエレベーターへ。

 ふぅ……誰のもバレないようにするのって、神経を削がれる……。

 ピンッという音とともに、エレベーターの扉が開く。



「……あっ」



 降りた先にいた見知った人の姿に、思わず声が漏れた。

 生徒会長さん……たしか名前は、西園寺蓮さん、だったはず。

 今から出かけるのかな?

 エレベーターを待っていたのか、無言で私を見下ろしている彼。