総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜






「マジで、叩き殺したい……」



 拓ちゃんが、何やら物騒なことを呟いた気がした。

 き、聞き間違いかな……?



「由姫。もし何かあったら、俺に言って。俺……いつだって由姫の力になりたいから」



 再び、拓ちゃんの真剣な瞳に見つめられた。

 その視線に、男の人を感じて不覚にもドキッとする。

 改めてだけど、拓ちゃん、大きくなったなぁ……。

 身長ももちろんだけど……なんていうか、頼もしくなった。



「ありがとうっ……」



 幼い頃は、私に負けて泣いていることもあったのに……ふふっ、かわいい拓ちゃんが、すっかりかっこいい拓ちゃんに変わったなぁ。

 そんなことを思った時、拓ちゃんが足を止めた。

 いつの間にか寮についていて、私は拓ちゃんに手を振る。