「マジで、叩き殺したい……」
拓ちゃんが、何やら物騒なことを呟いた気がした。
き、聞き間違いかな……?
「由姫。もし何かあったら、俺に言って。俺……いつだって由姫の力になりたいから」
再び、拓ちゃんの真剣な瞳に見つめられた。
その視線に、男の人を感じて不覚にもドキッとする。
改めてだけど、拓ちゃん、大きくなったなぁ……。
身長ももちろんだけど……なんていうか、頼もしくなった。
「ありがとうっ……」
幼い頃は、私に負けて泣いていることもあったのに……ふふっ、かわいい拓ちゃんが、すっかりかっこいい拓ちゃんに変わったなぁ。
そんなことを思った時、拓ちゃんが足を止めた。
いつの間にか寮についていて、私は拓ちゃんに手を振る。

