相当力が入れられているのか、華生くんは痛そうに叫んでいた。



「た、拓ちゃん、やめてあげて!」

「……ちっ、由姫の優しさに免じて許してやる。次は本気でやるからな」

「ひっ……!」



 華生くんが完全に怯えきっていて、かわいそう……。



「由姫、行こ」



 送ることは確定なのか、私の手を掴んで引っ張ってきた拓ちゃん。

 危なくはないし、もし変な人がいたって返りうちにできるけど……ここは甘えておいたほうがいいのかな。



「ありがとう」



 そう言って微笑むと、拓ちゃんはうれしそうに頷いた。