「まあ、普通サラを好きならfatalに入るけどな。俺らはそうしたし」



 ずっと黙っていた華生くんが、口を開いた。



「fatalの総長の女なら、敵として奪うしかないだろ」



 fatalの総長の女という言葉に、サラが私だと確信してしまった。



「それうちの総長が聞いたら殺されるぞ」

「返りうちにする」

「できるわけねーだろ! 春季さんはつえーんだからな!」



 あっ……。

 この学園に来てから、初めてはっきりと、第三者から春ちゃんの名前を聞いた。

 春ちゃん、相変わらずfatalのメンバーに慕われてるんだな……ふふっ。

 うれしくなって、思わず頰が緩んでしまう。

 やっぱり、fatalが野蛮なんてただの噂だよね。