総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜



 海くんって、さらっとこういうこと言えるんだなぁ。

 さっき女の子たちからの人気を痛感したけど、顔だけじゃなく、中身も人気の理由だと思う。

 こんなスマートに優しくされたら、女の子は好きになっちゃうだろうな。



「おいお前! 由姫のこと口説いてんじゃねーよ殺すぞ!!」



 そんなことを考えていると、拓ちゃんが海くんにそう叫んでいた。



「ははっ、氷高が大激怒」



 海くんは相変わらずというか、余裕な態度で流している。

 再び食べ始めたみんなを見ながら、私もテーブルの前に座る。



「なあ、もしかしてふたりって付き合ってんの?」



 食べながら、海くんが突然そんなことを言ってきた。

 視線から見るに、たぶんその“ふたり”とは私と拓ちゃんのこと。

 どうしてそんなふうに思ったんだろう?



「はっ……!?」



 拓ちゃんはなぜか顔を真っ赤にして固まっているから、私が代わりに答えた。