海くんって、さらっとこういうこと言えるんだなぁ。
さっき女の子たちからの人気を痛感したけど、顔だけじゃなく、中身も人気の理由だと思う。
こんなスマートに優しくされたら、女の子は好きになっちゃうだろうな。
「おいお前! 由姫のこと口説いてんじゃねーよ殺すぞ!!」
そんなことを考えていると、拓ちゃんが海くんにそう叫んでいた。
「ははっ、氷高が大激怒」
海くんは相変わらずというか、余裕な態度で流している。
再び食べ始めたみんなを見ながら、私もテーブルの前に座る。
「なあ、もしかしてふたりって付き合ってんの?」
食べながら、海くんが突然そんなことを言ってきた。
視線から見るに、たぶんその“ふたり”とは私と拓ちゃんのこと。
どうしてそんなふうに思ったんだろう?
「はっ……!?」
拓ちゃんはなぜか顔を真っ赤にして固まっているから、私が代わりに答えた。

