というか、ふたりとも潔癖なんだ……大変そうだっ。



「じゃあ、氷高の部屋にするか」

「……無理」



 海くんの提案に、拓ちゃんは即答したけど、私は少し残念な気持ちになった。



「私、拓ちゃんの部屋見てみたかったなぁ……」



 拓ちゃんがどんなところで暮らしているのか、少し興味があった。



「じゃあ俺の部屋にしよっか?」

「え? いいの?」

「うん」



 わー、やった……!



「ありがとう拓ちゃん」

「由姫なら、いつ来てくれたって構わないからな」



 笑顔の拓ちゃんに、「うん!」と返事をする。

 ふふっ、楽しみ。



「氷高……お前、キャラ変わり激しいなぁ……」

「詐欺だろ……」

「メガネにだけ甘すぎ……」

「ああ?」

「ふふっ、みんなでなんて楽しみっ」



 拓ちゃんが怖い顔でみんなを睨みつけていて、少し不穏な空気だったけど、私はこの高校で初めてできた友達との時間に心を躍らせた。