あんまり強く触れると、ウィッグが取れちゃうっ……!
「あれ? なんか由姫の髪、作りものみたいだな……」
海くんの言葉に、まずいっ……! と頭の中で警告音が鳴り響いた。
「え、えっと……髪質、あんまりよくなくて……」
「あ、いや……そういう意味じゃなかったんだけど、なんかごめんな。女の子に髪のこと言うとか、俺デリカシーないな」
申し訳なさそうにする海くんに、私のほうが申し訳なくなった。
海くんは何も悪くないの……! たしかにこの髪、すごくごわごわしているし、違和感しかないよね……。
謝らせてしまってごめんなさい……と、心の中で呟く。
「おい! 気安く由姫に触んな!!」
ぴったりと斜め後ろにいた拓ちゃんが、すっと私の前に立った。
「お前は由姫の番犬だな」
「うるせー!」
威嚇している拓ちゃんに、海くんはいつもの余裕の笑みを浮かべている。

