総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜



「お前ら、勝てないんだからやめとけ」



 海くんが、ふたりを宥めるように肩を叩いている。

 あはは……賑やかだ。

 本の整理をしながら、ふふっと笑う。



「ちっ、俺らだってそこそこ強いからな!」



 強いって……何がだろう?

 弥生くん言葉が引っかかる。



「はいはい。わかったわかった」

「くそ……次期総長候補だからって、余裕ぶってんな……」



 私は聞こえたある単語に、ぴたりと手を止めた。

 今……なんて言った?



「次期総長候補?」



 私の、聞き間違い……?



「いや、言われてるだけだよ。まだ決まってないから」



 笑顔でそう返事をくれた海くんに、私は聞き間違いでなかったことを悟った。