総長さま、溺愛中につき。①〜転校先は、最強男子だらけ〜



「お前はなんでいるんだよ!」

「だって、俺だけ除け者は寂しいだろー」

「絶対そんなこと思ってないだろ……! つーか遊びじゃねーから!」

「まあまあ、人数が多いほうが早く終わるよ!」



 海くんの言葉に、「う……」と言葉を詰まらせた弥生くん。

 ……少しだけ、弥生くんと華生くんの違いがわかってきた。

 声のトーンっていうのかな? 弥生くんのほうがほんの少しだけ高くて、音階が微妙に違う。それと、華生くんのほうが口数が少ない。

 本当に微妙な差だけど……早く、ちゃんとふたりを見分けられるようになりたいな。



「じゃあ俺と由姫でこっち片づけよ」



 拓ちゃんが、奥の棚を指さして言った。



「うん!」



 頷いて、そっちへと駆け寄る。



「……猫かぶりやろう……」

「あ゛?」



 華生くんが何かぼそりと呟いて、すぐに拓ちゃんが反応。