慌ててあとを追いかけようとした時だった。

 ヒュンッ。



「……いっ、て……!!」



 私の隣から、下敷きを弥生くん目がけて投げつけた拓ちゃん。

 それは見事に命中し、頭にヒットしてしまった。

 弥生くんは、痛そうに後頭部を押さえている。

 た、拓ちゃんってば、何して……!



「おい、その偉そうな態度はなんだ?」



 拓ちゃんの鋭利な視線に、弥生くんは完全に怯えている。隣の華生くんも、顔が真っ青だ。



「いい加減にしねーと、今度はこれつっさしてやるからな」



 そう言って、拓ちゃんは先の鋭いシャープペンシルをくるくると回した。