中島さんはスイーツを貰えればそれで良いのかな?

「今回は違う人にやって貰えば良いのに…」

「うん、そう思って声をかけても断られたりして…俺に戻って来ちゃうんだよね。それで、まぁいっかーってなってる」

それはお人好しなのか、ヘタレと呼ばれる分類だから断れないだけか、本当にスイーツで買収されているのか…。もしくは、その全部の様子を含めて断れないのか…。

入社してから初めての忘年会に参加する私。後から聞いた話だけれど、新人は先輩と一緒に幹事を任されるらしい。来年、総務課に新人が入って来なければ…私は毎年の様に中島さんと二人で幹事を任せられているかもしれない。

「鈴木さんが空いている休みの日にくじ引き大会の景品を探しに行こう」と言われて、早速、次の日曜日に出かける事になった。

東口の改札前に10時と約束したのに…待てど暮らせど20分経過しても来ない。一体、あの男は何をしているの?

電話をかけようとした瞬間に中島さんは現れたが…手には紙袋を持っていた。

「ごめんなさい、遅くなりました!…コレ、お詫びです!」

改札前に立ち尽くしている私に強引に紙袋を渡して、深々と頭を下げて来た。

「あの…何かあったのですか?大丈夫ですか?連絡なかったから心配しましたよ」

バッグにしまわずにいたスマホを握りしめて、中島さんの目を見て問いかける。

「実は…課長から…いや、やっぱり何でもないです。とにかく本当にごめんなさい!」