極甘クールな芸能人幼なじみの意地悪な溺愛



泣き出しそうな顔で背を向けた麻凛ちゃんを逃がすまいと、手を掴むナツ君。



向き合って見つめ合う二人。
セリフはないけど、お互いがすれ違っていて、彼女を繋ぎ止めたいシーンだとわかった。



堪えきれず顔を背けようとした彼女の肩を力強く抱いて、ナツ君は麻凛ちゃんにキスをした。



どうしよう。
カット、かからない。
キス、終わらない。



麻凛ちゃんの小さな顔を抱きかかえるように支えて長いキスが続く。



小柄な麻凛ちゃんの必死な背伸びが、二人の脆い関係を表現してるみたいだった。



だけど、まだ画角に切り取られていないキスシーンは、私にはただの二人のキスにしか見えなかった。



やだ、見たくなかった。
カットもかかっていないのに、反射的にその場から逃げ出してしまった。



お仕事なんだってわかってるのに、胸が苦しくて喉に何かつっかえて、うまく息ができない。



麻凛ちゃんにはもうやっぱり会いたくない。だって涙まであふれてきた。
こんなにショックを受けるなんて思わなかった。



自分でもびっくりするくらいナツ君のこと、こんなにも好きになってたんだ。