だけどその日はいつもと現場の雰囲気が違った。 ナツ君と麻凛ちゃんがライトの下で向き合って、カメラはいろんな配置にあって。 大人たちは周りを忙しなく動き周ってるし、演出家らしい人はナツ君に身振り手振りで演技指導みたいなことをしてる。ナツ君は頷きながらそれを真剣に聞いていた。 なんだろう、ちょっとだけ緊張感があるというか。 ナツ君と麻凛ちゃんはいつもの和やかな雰囲気だったけど、監督がスタートの合図を出したら二人がいる空間の密度が一変したのがわかった。