極甘クールな芸能人幼なじみの意地悪な溺愛


「何言ってんの。まともに休憩なんて取れないスタッフさんもいるし、両手が塞がると困る人も多いからおにぎりはすげー助かるよ。出番が多い演者は尚更。麻凛もそうだろ?」 



「う、うん。そうそれ!」



ナツ君はそう言って自分のポケットから私が持ってきたおにぎりを2個出した。



「なくなると思ってキープしといたよ」




寒さも疲れも惨めさも吹き飛ぶような、優しい笑顔付き。 




「あっちに電子レンジあるし、シャケとたらこは早い者勝ち。じゃあごめん、俺らそろそろ行くわ」



いちゃいちゃは見せつけられたけど……。



(ほらね、大丈夫)



去り際のナツ君の顔には、そう書いてあった。
たぶんナツ君は全部わかってくれた。