「とはいっても彼の本命は私だし、愛されてる余裕があるからそういうのだってまぁ許せるんだけど、一佳君は優しいから頼られたら突き放せなくて、実は適当に相手してあげてる子もいるみたいなの」
「嘘ですよね? 麻凛ちゃんみたいな可愛い彼女がいて?」
ナツ君が女の子を大勢はべらせてるってこと?
私にいたずらするくらいだから女の子慣れしてるなぁとは感じてたけどいまいち信じられない。
「だからね、優しくされても自分だけが特別だなんて思ったらダメだよ。そんなの傷つくだけだから。紗知ちゃんが悲しむようなことがあったら嫌だから教えとくね」
そっか、麻凛ちゃんは忠告しに来てくれたんだ。もう充分からかわれてはいるんだけど、これから気をつけないといけないな。
麻凛ちゃんだって彼氏が女の子とベタベタしてるのは見たくないよね。
ナツ君との距離感は常に気にしなくちゃ。
「わかった。麻凛ちゃん教えてくれてありがとう」
自然と敬語はなくなったけど、やっぱり不安になって、自分の手をぎゅっと握りしめた。



