「寒い中お疲れ様です。こちらでもいろいろと勉強させてもらってます」
ぺこりと頭を下げる。
「紗知ちゃん固いなぁ。敬語もいらないのに」
なんて謙虚で優しい子なんだろう。
性格までいいなんてずるいよ。
ナツ君が好きになった子だからそうに決まってるけど、引け目を感じてしまう。
「そういえばこの前ひとつ伝え忘れてたことがあってね」
麻凛ちゃんは軽くステップを踏むみたいに私の耳元までやって来た。
「一佳君ってすごくモテるじゃん。だから特別なひとりじゃなくてもいいって寄ってくるアイドルなんかがいっぱいいるんだ」
「そうなんですか? モテるんだろうなとは思ってたけど……」
だってあの麻凛ちゃんを夢中にさせてるんだもん。他に彼のことを好きな子がいても全然おかしくない。



