「これだと甘くなりすぎないし、ロングコートなら落ち着きもあっていいと思うよ。ほら、もう事務所の車が待ってるからちょっとだけ急いで」
「はーい、わかりました」
お姉ちゃんの言うことはもっともだ。
きっと今日こそが、一張羅のデビュー日。
とりあえず着替えてみたけど、ジャージ愛好家としてはスースーした感覚に慣れない。
ペチパンツを履いてるから何も心配しなくていい。だけど常に裾丈を確認したくなるくらいそわそわしてしまうのが実際のところ。
でもコートを着れば問題なさそう。
それにモデルのナツ君に恥をかかせないことが一番大事だからね。
時間を気にしながら準備してパタパタと洗面所に駆け込むと、いるなんて思わなかったナツ君と鉢合わせちゃった。



