「ほらね、やっぱ私に似て可愛い! 普段からもっとおしゃれしたらいいのに」
「だってなんか恥ずかしいだもん。不器用だし」
可愛いものを身に付けてみたいけど、私みたいなのが、ってどうしても思ってしまう。つまり、自分に自信がない。
それに個性なら、絵で伝えたい。
なんて一丁前な信念だけは持ってるけど、作品が日の目を見なければ自分らしさを発揮できることもなく、きっとお芋女子のままで終わる。
陽気なお姉ちゃんにはそんな気持ち、わからないだろうな。
「服は私があげたやつにしたら? 一度も着てないのあったでしょ、ほらこれ!」
人のクローゼットを掻き回して突き出してきたのはオフホワイトのケーブルニットワンピ。
膝上なのは勇気がいるけど、ふんわりした袖もアクセントのベルトもかわいい。
かわいいからこそ、着ていく場所がなかった服だ。
「ただの雑用係が着るには張り切りすぎじゃないかな」
「何言ってんの、紗知はチーム一佳のスタッフなんだから自信持たなきゃいけないよ。あっちの人はみんなおしゃれだし、都会を舐めてたら痛い目にあうからね。あとデートは浮かれてなんぼよ!」
誰よりも楽しそうにブーツまで持ってきた。



