「甘々に愛される覚悟できてんの?」
「た、たぶん。いや……うん」
まだまだ弱腰だけど、この気持ちは決して消えない花火。
繋いだ手をぎゅっと握り返した。
「那月と紗知はこれからもずっと一緒だよ」
私から初めての名前呼び。
だって、大好きって気持ちを隠すのはもう嫌だから。
「じゃあこの後うち来る?」
「そこまでは考えてなかった……かも」
あんなに威勢が良かったのに、恥ずかしさでみるみる猫背になってしまった。
「じゃあ猶予あげるから俺の名前呼ぶ練習してよ。今、頭んなかで」
恋愛初心者向けのかわいいレッスンだとしても、至近距離でみつめられたら照れてしまう。
花火に照らされて、映画のワンシーンみたいにナツ君はかっこいいし。
とんでもない男の子が彼氏になってしまったな。
「やってみる……」
頭のなかで。
な、な、な、那月って。
那月大好きだよって?
頭のなかでナツ君の名前を呼ぶ練習をする私の耳元に、こそっとナツ君が耳打ちした。
「ベッドで呼んでるつもりで」
「べ! ベッド?」
想像したらひゃ~ってなって、顔を覆ってしまった。花火、うんと赤いのを打ち上げてください!



