ベッドに戻ってきてくれて、隣に寝転ぶと大きなため息をついた。
「あー、睡眠不足確定」
「そんなの、私だってそうだよ」
どちらからともなく繋いだ手。
「髪伸ばしてたんだ。大人っぽくなったね、綺麗」
指の背で髪を撫でられる。
うぅ。こういう時の反応の正解なんか未だにわからない。
「ちょっと痩せたかも」
その指が頬に降りてくる。
「俺が恋しくて泣いた?」
「うっ、うん。いっぱい泣いた」
対してこっちは小学生の発表みたいな返事。言ったことをものすごく悔やんでまた顔が真っ赤になった。
「あー、もうやっぱこんなの無理だって。狂いそう」
顔を見られたくないみたいに、ぎゅっと抱きついてきた。
「そういえば映画館で倒れたとき、俺の名前呼んでたよ」
「そ、そうなの?」
また顔が熱くなる。
無意識だと、本心が出てしまうんだ。
「好きな子に、うわ言みたいに何度も名前呼ばれたら……やばいって」
大人っぽい苦笑に胸が苦しくなった。
今目の前にいるのは青山一佳君じゃない。ほんとうなら同じ学校に通ってたはずの、大好きな……ずっと大好きだった柊那月君だ。



