「紗知の気持ちが知りたい」
そんなこと言われても、やっぱり正直になんかなれない。自分に優しくなんて、どうすればいいかわからない。
今まで必死にこの気持ちを押さえ込んできた。前を向こうってあんなに頑張ってきたのに。
唇を噛みしめていたら、ナツ君は深いため息をついた。
「お願い、好きって言ってよ」
声が震えてる。
見上げたら、すごく切ない顔をしてた。少しだけ手の力を緩めたナツ君の瞳は、いつもより深く澄んだ色に見えた。
「俺は紗知が好き。今もずっと好き」
潤んで揺らめく目に見つめられたら、不安も焦りも、後悔も寂しさも、何もかもが消えていった。
「……私もナツ君のこと、大好きなままだよ」
悲しくてひとりで泣いてたの、あんなの遠い昔に見た悪い夢だって思いたい。



