結局、片桐さんに押しきられる形でナツ君の家に泊めてもらうことになった。ナツ君と二人きりって。
……ものすごく気まずい。
だけど「さっき倒れたばかりの女の子をひとり残して、また何かあった時はどうするの」と言われたら、ナツ君もこうするしかなくて。
コンビニに寄って買い物をすませると、図々しくも部屋にあがりこんでしまった。
ごめんごめんごめん。
ほんとにごめんなさい。
頭のなかはそれしかない。
部屋に上がってもずっと下を向いて歩いてる。
お部屋のなかも見ちゃいけない気がして薄目にしたり。
「……ほんとにもう平気?」
「平気平気。あっ、間取りとか記憶したりしないからそっちも安心してね」
眼鏡を手で覆ったらナツ君に笑われた。
「紗知、変わってないね」
不意打ちで名前を呼ばれて、苦しいほど胸が痛んだ。



