「ナツ君てテレビの中でも包み隠さないタイプみたいね。やばい、匠に会いたくなってきた」
「お姉ちゃんそれ、匠君に今すぐキスしたいって言ってるのと同じだよ。恥ずかしくないの?」
こっちが照れてしまうからやめて欲しい。
「あ、もしもし匠。おはよ、起きてた? うん、今日も愛してるよ~」
私の話は無視されて、もう彼氏と電話してる。日本人とは思えないお姉ちゃんの愛情表現。ちょっと。いやかなり、素敵だと思う。
私もそうできていたら、未来は変わってたのかな。
不甲斐ないことに、実はまだ過去を振り返ってばっかりだったりする。
さっきは麻凛ちゃんとのキスシーンを見て傷ついたこと思い出してしまった。
キスシーンに慣れてみせる、って頑張ってた自分を振り返ってしまった。
あの夜、ほんとのキスを教えてあげるって唐突にキスされたことまで思い出してしまった。
だってナツ君がほんとのことを言うからだよ。
後先なんか考えない。
全然待ってくれない。
恋しくてたまらなくなるだけなのに、ナツ君のキスはいつもそんなだったって、思い出してしまった。



