極甘クールな芸能人幼なじみの意地悪な溺愛



「僕が女の子しか描かないわけ。それはね」


ruruさんは恥ずかしそうに、ほんとにこっそり教えてくれた。


「奥さんを描き続けているからだよ」


「作品すべて、同じ人物ってことですか?」


「そう」


みんな違う女の子だと思っていたんだけど、彼に言わせればたった一人の女性のいろんな面を描いているに過ぎないんだって。


奥さんに出会ったときの気持ちや、今すごく幸せな気持ち。そういうものが枯れない限り、永遠に描き続けることができそうって、照れ笑いしてた。



「まさにさっき話されてた、衝動ってもののことですか?」


「そう。出会えた時の喜びとか今も一緒にいられる幸せとかね」



いいねしてもらえた私の作品は、あのときの気持ちを残しておきたいっていう、ただの衝動だった。
そういうの、もしかしたらruruさんは感じ取ってくれたのかもしれない。



「ところで紗知さんも絵を描くんだよね?」


「は、はい。描きたい衝動に駆られたり枯れたりなんですけど」


「下手でも歪んでても、いっぱい描くことが何より大事だと思うよ。よかったらうちの事務所にも遊びにおいで。ツールは一通り揃ってるから試してみたらどうかな。いい刺激になるよ」



まさかの名刺裏にサインまでもらってしまって、この日は一生忘れられない日になった。