「だけどね、紗知ちゃんのこと、友達だと思うからこそほんとのこと言うね。
紗知ちゃんと一佳君は、これからはもっと距離に緊張感を持った方がいいよ」
「緊張感?」
そう言われたら、胸がばくばくと音を立て始めた。
確かに麻凛ちゃんの意地悪があったからこそ、ナツ君と距離を取らなくちゃいけないんだって意識してたところがある。
逆に意地悪がなかったら、ナツ君に女の子の影がちらついちゃいけない、って気付くことさえできなかったかもしれない。
実際相馬君には一緒にいるところを見られて写真まで撮られてるし。
人気芸能人の幼なじみで同居人。
しかもマネージャー。
自分はナツ君と近すぎる存在だってことにあんまり自覚がなかった。
相馬君以外の誰からの違和感も買わなかったのは、片桐さんやお姉ちゃんが、うまく隠してくれていたからなんだ。



