「何度でも言うけど、俺が好きで好きでたまらないのは紗知だけだよ。紗知以外なんもいらない」
ナツ君はひざまずいて、涙に濡れた手を取ってくれた。
「やっぱ俺の気持ち全然伝わってねーじゃん」
頬を伝う涙を払ってくれる。
「どんだけ紗知のこと大事に思ってるかこれからはもっと伝える。もう不安になんてさせないから」
涙、止まらないよ。
だって私、ナツ君のことを好きなままでいいの? 麻凛ちゃんが傷つくことに、怯えなくてもいいの?
「那月は紗知のことが大好きだよ」
「私も……ナツ君のことが好き」
もう少しかわいい服で、もう少し素敵な場所で、涙でぐちゃぐちゃじゃない顔で告白したかった。
なのに靴なんかかたっぽ履いたままで、腰抜かしたみたいな格好で、それも玄関なんかで思いがあふれちゃうなんて思わなかった。
「俺たちずっと前からとっくに両想いなのに気づいてなかったんだ? もう少し早く自覚してよ」
ナツ君は困り果てて笑っちゃってる。そっと頬を包み込んで、親指でまた涙を払ってくれた。



