「木崎麻凛はただの相手役。プライベートと役を一緒にすんなよ」
「でも二人はだいぶ前から付き合ってるんだよね。大丈夫、いろんな人に迷惑かけちゃうから誰にも言ってないよ」
自分に言い聞かせるみたいに背中を向けたままそう呟いた。
「誰から吹き込まれたか知らないけど、なんで俺たちが付き合わないといけないわけ?」
まだ言い訳するつもりかな。
ナツ君のこと、嫌いになりたくないのに。
「もう、ほんとのこと話してよ。優しくして、依存させてる子は何人いるの? 麻凛ちゃんに許されてるからってそんなふうに遊ばれてる方の気持ち、少しでも考えたことある? 私もその中の一人なのに」
「遊んでるって、何それ」
大勢と付き合える人の気持ちなんてわからない。やっぱり私には恋愛なんて向いてない。
「もうそういうのやめてよ。だって麻凛ちゃんがこの前テレビで言ってたの見たもん」
好きなタイプは背の高い人、優しくて、でもちょっと強引な人がいいな。私だけを見てくれる人がいいって照れ笑いしてたもん。
「あれ、ナツ君へのメッセージでしょう?」
そういうの女子は自然とわかっちゃうんだよ。なんて嫌で無意味な才能なんだろ。



