腕をひっぱられ、人気のない方へ静かな方へと歩いていく。
暗い方へ、高い場所へと連れていかれてる気がするんだけど。
少し坂を上ったところにある小さな教会のすぐ近く。
街灯の明かりも届かない場所に行き着いて、二人の弾む息がさっきなんかよりずっと真っ白に見えた。
「ここに何かあるの?」
「寒いけど、もう少しだけ待ってて。たぶん、そろそろだから」
ナツ君はキャップとマスクを外すとまた空の一点を見つめて、夜の空気を吸い込むように深呼吸をした。
目の前には、月すら出ていない田舎の暗い夜空があるだけなのに。
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