「気安く紗知に触んな」
ナツ君が本気で怒ってる。
こんな表情、初めて見た。
苦しそうな相馬君を冷ややかな目で睨み付けてる。
「ほんとは殴って引きずり回してボロ雑巾みたいにしてやりたいけど、綺麗な顔に傷つけちゃ悪いからやめとくね」
解放されてずるずるとへたり込んだ相馬君の前にヤンキーみたいに座り込んで、さらにすごんだ。
「写真とか言ってたけどそれで紗知を脅したつもり? んなもん何の価値もねーから。どこにでも好きにばら撒け」
それだけ言って後腐れなく立ち上がると私の腕を取った。
「ごめん、迎えに来るの遅くなって」
「なんでこんなとこにいるの?」
「いいから。帰るぞ」
ナツ君が隣にいる。
助けに来てくれた。
でもなかなか実感なんてできなかった。



