「実は全然描けなくなったんだ。もうすぐ仕上がるはずだったのも、描きかけも全部。手がペンの持ち方を忘れちゃったみたいに」 弱音を吐いたら、相馬君は見たことのないような不安げな顔をした。 「それ、俺のせい?」 「まさか! 私の問題だよ?」 責めるつもりなんかなかったのに、彼の表情は曇ってた。 「じゃあこっち見てよ。青山一佳のことばっか考えてんじゃない?」 「そんなことない。彼のことは、もう」 なんだかすごく相馬君に申し訳なくなった。