「あいつ俺に喧嘩売ってきたね」
「そんなんじゃないよ、相馬君は人をからかうのが趣味みたいな人なの。すごくモテるし私なんか相手にしない」
「じゃあなんでわざわざ電話に出る? 俺にマウント取る必要ある? 紗知に興味ありすぎじゃない?」
上半身を抱き抱えられて、体の自由までほとんど奪われてる。
不機嫌な目から逃げられそうにない。
「好きな絵師さんが同じってだけで、私に興味があるわけじゃないよ」
「ふーん、それだけとは思えないけど」
車内は暖房が効いているし、そばで聞くナツ君の声はいつにも増して意地悪で甘い。
ドキドキして、汗までにじんできた。
少しでも離れたいと思って、体に絡まったみたいな腕を押し返してみたけど全然ダメだった。



