現場に着くとナツ君のシーン撮影はとっくに終わっていて、いつもはスタッフテントになんていないのに、彼は明らかに私を待っていた。
今こそ麻凛ちゃんが来てくれたらいいのに。強引にナツ君を引っ張っていってくれたらいいのに。
あんなに妬いてたことが嘘みたいに麻凛ちゃんが恋しい。
だってこの後、説教だもん。
片桐さんは車を回しに行っちゃって、お姉ちゃんは残業になったみたいだった。
「紗知、ちょっと仕事の話しよっか」
ナツ君が美しく微笑む時、それは機嫌の悪いときだってもう知ってる。
観念して後をついていった。



