「紗知の肌、甘すぎておかしくなりそう。顔隠さないで俺に全部見せてよ」
片手だけであっけなく両手を拘束されて、無防備になったところにまたキスが降りてくる。
「やだ、ナツくっ……ん、ぁっ」
「意地張ってないで早く俺のものになればいいのにほんと強情」
ふっと優しい眼差しにみつめられて、ついに鎖骨にまで熱い息が。
と思ったら耳元に……。
……ん? 安らかな寝息?
もしかして電池、切れた?
そういえば、気絶するみたいに寝る人だった!
とりあえず深呼吸を繰り返した。
落ち着いて、紗知。
寝落ちするくらいだもん、これっていたずらの延長なんだ。
彼は麻凛ちゃんの恋人だし他の子にも同じことをしてるはず。
そうわかってるけど、初めてのキスがまさかこんなに刺激的だなんて思いもしなかった。
「はぁぁ……」
解放されたら腑抜けになった。
でもなんか悔しい。
この寝顔も、さっきの表情もすぐラフ画にしてしっかり描きあげよう。
初めてを軽々しく奪われた元は取るからそれを見て羞恥心にかられちゃえばいいんだ。
でもねナツ君。
あんまりドキドキさせないで?
恥ずかしい声が出ちゃったことも、身体中が火照ってたことも、絶対に忘れてよね。



