それから一週間と少し経った日。
教室近くの学年掲示板に、成績上位者の名前が貼り出された。
『前期中間試験・成績上位者 第二学年
一位、成瀬伊織
二位、白石紗和
三位、碓氷千尋
四位――…』
「紗和ちゃんすごいすごい!二位だよ!」
「ありがとうひな」
「成瀬くんも碓氷くんもすごいね!私の周りはすごい人ばっかりだっ」
「ふふっ。ひなも今回は自己最高だったんでしょう?」
「うんっ!特に数学が良かったの、紗和ちゃんのおかげ」
「違う、ひなが自分で頑張ったからこそだよ」
「っ、もう紗和ちゃん大好きー…っ」
生徒たちでにぎわう掲示板近くを避け、ひっそりと羅列された文字たちを見た。
…伊織を超えるのは半ば諦めてるから、せめて同率一位を目標に頑張ってみたのだけれど。努力が足りなかったようだ。
キーンコーンカーンコーン――…
(さぁ、今日も頑張りますか)