「ははっ、やりすぎたね。
――…続きはベッドでね」
…あぁ、もう。
伊織の声色はひどく柔らかくて優しいのに
長く深く絡まり合った情炎を
決して離さないと言うかのような、透き通った瞳をするのだから。
わたしは彼に溺れていると実感する。
「びっくり…したんだから…っ」
「俺、紗和が思ってるほど心広くないからな」
「…へ…?」
「千尋に嫉妬した。めちゃくちゃ嫉妬したよ。紗和に触れていいのも隣を歩くのだって、本当は俺の特権だと思ってる」
「……っうん…、」
「…委員長としてみんなに気遣い見せるのも、もちろん大切だと思うし止めない。けど、ちゃんと俺の彼女だってことは学校でも自覚して」
…そして、好きだと実感するの。